お久しぶりです。ブログさぼりの常習犯となった(一応火曜担当ということになっている)わっしーです。
最後に書いたのはいつでしょう……そんな遠い昔のことは忘れてしまいました。

さて! 最近、韓国語を見ていて面白いなーと思うことがあります。
それは、韓国語の縦書き!

皆さんは普段、縦書きで書かれた日本語を読むことはよくありますか?
新聞が代表的な縦書き媒体ですが、他にも新書や文庫、コミックなど、縦書きが基本となっている印刷物は数多く存在しています。

一方韓国語はというと、現在、縦書きはほとんど使われていません。
朝鮮半島も漢字文化圏に属しており、従来は縦書きが基本でした。例えば、ハングルを公布した『訓民正音』はこのように、漢文の部分もハングル文の部分も縦書きになっています。
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韓国語の横書きは1980年代には一般書籍で優勢になり、新聞でも2000年頃までには漢字使用の減少と併せて縦書きから横書きに移行しました。発刊当初から横書きの新聞もあります。

このような経緯から、現在の日常生活で韓国語の縦書きを見る機会はほとんどありませんが、最近、少し変わった韓国語の縦書きが目に入るようになってきました。

例えばTwitterのこのツイートでは、韓国語に翻訳されて出版されたライトノベルの背表紙の写真をアップしています。手前に見えているライトノベルの日本語での原題は『境界線上のホライゾン』、韓国語のタイトルは『경계선상의 호라이즌』。

お気づきですか?
そう、縦書きの方向が左から右に進んでいるのです。

皆さんご存じのように、日本語の縦書きは右から始まって、左へと行を進めていきますよね。
先ほどお見せした『訓民正音』もそうでした。つまり、朝鮮半島で従来行われていた縦書きも、日本と同じく右から始まる縦書きだったということです。
ところが現在の韓国では、右からの縦書き(右縦書き)が行われなくなり左からの横書き(左横書き)が基本になっているためか、こうした作品タイトルやロゴ、キャッチコピーなどの短いものに限って、左からの縦書き(左縦書き)が見られるのです。

他にも例があります。少しお見せしましょう。

左縦書きを用いる言語には、モンゴル文字で表記したモンゴル語などがありますが、世界の多くの書記言語の中で見れば少数派と言えます。そのため、こうした韓国語の左縦書きの例は、とても珍しい例なのではないかという気がしています。

韓国語の場合、モンゴル語と違って、長い文章を書くのに左縦書きを使うことはないようです。
パソコンでの文書作成がここまで普及し、文字を書く方向を変えるだけでも面倒な処理が必要となる現代において、わざわざ左縦書きを長文表記に用いることはおそらく今後もないと思われますが、それでもこのような興味深い書き方がこれからもいろいろなところで見られるといいなと個人的に思っています。