こんにちは、火曜担当わっしーです。
今日は、外来語に関する話題の第2弾です。

레스토랑という単語、皆さんご存じですよね。声に出して読んだだけで、すぐに「レストラン」だと分かると思います。
この単語、よく見てみると、どこか不思議な綴りではないでしょうか? 토の部分も、랑の部分も、他の外来語とは少し違っていて、むしろ日本語に似ているような響きがします。
いつもの外来語のパターンだと、例えば레스트랜とかになりそうな気がしませんか?

ご存じの方も多いと思いますが、「レストラン」という単語はフランス語のrestaurantから入ったものです。日本語も韓国語も、フランス語からこの単語を輸入したので、英語とは少し違った対応の仕方をしています。

特にフランス語に特徴的なのが、鼻母音という、息を鼻に抜いた状態で発音する母音。
日本語ではこの鼻母音を「ン」で受け入れますが、韓国語ではㅇパッチムで表すことになっています。
フランス語由来の外来語で、日本語で「ン」が出てくるときは、基本的にㅇに対応すると考えていいでしょう。restaurantにも鼻母音があるため、韓国語では레스토랑となります。

フランス語由来の外来語には、他に次のようなものがあります。

 genre ジャンル 장르
 nuance ニュアンス 뉘앙스
 chanson シャンソン 샹송
 crayon クレヨン 크레용
 gratin グラタン 그라탱
 dessin デッサン 데생

さて、ところが英語からの外来語でも、ㅇを使う場面はたくさんあります。
英語からの外来語でㅇを使うのはどういうときかというと、-ngで単語が終わっている場合や、nの次にkやgの音が来る場合です。

 king キング 킹
 song ソング 송
 ring name リングネーム 링네임
 penguin ペンギン 펭귄
 anchor アンカー 앵커

こうしてみると、韓国語ではフランス語の鼻母音と英語のngを、すべて同じㅇパッチムで表しているということになりますね。

韓国語話者は、英語の語末の-ngが日本語で「~ング」になることをよく知っています。本当に!
なので、「キング」を「キン」と言ってしまうなどの間違いをすることはほとんどないのですが、
反対に、フランス語由来の単語で最後がㅇで終わっているものに「~ング」を適用してしまうことがたびたびあるようです。
僕がこれまで聞いたことのある例では、레스토랑「レストラング」、마네킹「マネキング」などの例がありました。
逆にいえば、日本語話者は英語の「~ング」をㅇにする練習をしっかりとする必要があるということですね。

King Kongは「キングコング」なのに、Hong Kongはどうして「ホンコン」なんですか!
「ホングコング」じゃないんですか!
なんてネタがありますが、韓国語では킹콩と홍콩で、しっかり統一されているわけです。