こんにちは。営業のさだもんたです。昨秋(2022年)から、東京都の観光ボランティアが再開されました。私は、言語を韓国語で登録していて、だいたい月に1回、都内の主要エリアで街なか案内をしています。

この観光ボランティア制度、当時の舛添要一都知事がソウルを表敬(2014年)した際、街なかで活動する観光ボランティア(動く観光案内所/움직이는 관광안내소)から着想を得て、東京でも展開することとなりました。ソウル市内において、赤いユニホーム姿で活動する観光ボランティアを見かけた、あるいは実際にお世話になったという人もいらっしゃることでしょう。

東京での展開は、その後の東京五輪・パラリンピックも見据えてのことで、観光ボランティアで得られた知見や枠組みは、TOKYO2020 City Cast(都市ボランティア)でも生かされました。ご存知のとおり、TOKYO2020はごく一部の会場を除き無観客開催となったため、当初City Castが想定していた活動はほぼできなかったのですが、それでも、活動の募集(告知)から各活動における当落の連絡まで、観光ボランティアの枠組みを流用したプラットフォームが使われていました。

東京ボランティアガイドユニフォーム

基本的には英語+他言語というペアになる。そして、市松模様のユニフォームは街なかでもよく目立つ

では、東京都の観光ボランティアで、実際にどんな活動をするのか、時系列でみていきましょう。

活動当日は、事前に事務局から送られてきたメール内に記されている集合時刻に、各活動エリアの控室に行きます。控室では、事務局のスタッフさんがにこやかに迎えてくれます。
(※控室は、マンションやビル内に設置されていることが多いです)

時間になったら、スタッフさんが事前の打ち合わせや説明を行います。そこで、当日誰とペアになるかが分かります。打ち合わせでは、観光客から良く聞かれる施設がどこかや活動エリア周辺での催し物・コンサート情報などが共有されます。また、活動時の注意事項(公道上で案内し、駅など施設内での案内はしない)などが伝えられます。

ひと通りの説明が終わったら、いざ出陣! コロナ禍前の体制に戻す可能性はあるとのことですが、現状(2023年5月現在)では、休けいなしで90分の活動が1セット。ペアになった人と、街なかで観光客のお困りごとを解決していきます。歩道上の地図看板の前でどこかを探している人がいたら、国籍問わず積極的に声をかけていきます。また逆に、私たちが身につけている言語カード(「한국어」「中文」「English」など)を見て、それぞれの国・地域の観光客が声をかけてくれることもあります。

聞かれることが多いのは、明治神宮や氷川神社など神社仏閣系への行き方、また、ターミナル駅周辺では、コインロッカーがどこか、といった内容です。私たち観光ボランティアが、貸与されている地図やタブレットを駆使して、お困りごとを解決していきます。

活動を終えたら控室に戻り、問い合わせ件数や内容、対応言語とおおよその国籍を用紙(表)に記入して、スタッフさんに提出します。そして、気づいた点をスタッフさんや一緒に活動したボランティアの間で共有して、活動は終了となります。

ところで、この東京都観光ボランティアは、例年10〜11月に、翌年度の募集を行います。
(※すでに登録されている人は継続)

言語基準は、

■韓国語:TOPIK(韓国語能力試験) 4級以上、「ハングル」能力検定試験 準2級以上
■中国語:HSK(漢語水平考試) 5級以上、中国語検定試験 5級以上
■英語:TOEIC 730点以上、英検 準1級以上
※他言語も各基準あり

などとなっています。

ふだんあまり韓国語(外国語)を使う機会がないなぁ……という方は、応募してみてはいかがでしょうか。今回紹介したのは東京都の例ですが、皆さんがお住まいの地域でも、自治体が主導して言語に関するボランティアを募集しているケースがあると思います。いろいろと探してみてください。