日本の読者向けに日本語で本を作っていますが、私は日本の教育を受けたことがありません。それでたびたび漢字語の読み間違いを犯します。多くの漢字に何通りもの読み方がありますからね、日本語は。

普段の社会生活で話し相手はいちいち間違いを指摘してくれませんが、家庭では手加減なく妻に指摘されます。よかれと思ってのことでしょう。しかし指摘されると悔しいです。すぐ思い出せるものとして、じり貧(じりびん)刺客(しきゃく)一念発起(いっぱつねんき←爆笑)など。「いっぱつねんき」は、たまたま言い間違えただけと信じたいです。

似たようなことで、ずいぶん前にこんなこともありました。会社の近くの居酒屋で隣り合わせたおじさんが、当時「ラブ注入」で人気を集めたタレント、楽しんご氏を話題にしていました。しかし「らくしんご」「らくしんご」と連発するので気になって仕方ありません(正しくは「たのしんご」)。この方の「楽しんご情報」は文字(電車の中吊り? タブロイド?)から得た知識なんだなと思いました。テレビで楽しんごを知った人は、まず音で名前に接するので間違えることはないように思います。

先日ツイッターで、「漢字語の読みはテレビを見る家庭の子の方が割と正しくできて、テレビ禁止の家庭の子は本はよく読むけれど読みを間違えることが結構ある。自分は後者で、大人になってずいぶん恥をかいた」といった内容の投稿を読みました。これは何のことがよく分かります。私の場合、上で書いたように、児童生徒が日中のほとんどの時間を過ごす学校で日本語を使っていなかったせいで、いまだに恥をかいています。

仮に読みが分かってもこんな問題があります。小学校1年の息子は言葉が達者でない方なのですが、その代わり「本の虫」です。それで本からいろんな言葉をため込んでいるのですが、単語を変な抑揚で話すので聞き取れないことがよくあります。「アッパ、とうしゅってなにやるひと?」と聞くのですが、「とうしゆ」を「高高高」の平板アクセントで話すといった具合です(投手のことでした)」。いくらふりがなが振ってあって読み方が分かっても、日本語は抑揚アクセントがあるので、文字で言葉を覚えるとこういうことがおきますね。

皆さんご存じの通り、韓国語は文字と発音が一致しないことがよくあります。もちろん学習の目的は人それぞれですが、音から学ぶことは韓国語学習でも大事ですね。

hana Vol. 28

特集で抑揚を取り上げた『hana Vol. 28』。表紙のフレーズの緑のラインはイントネーション。大阪出身のとんそく子の吹き出し部分では関西弁のイントネーションを示しましたが、誰にも気付いてもらえなかったようです。