長渡陽一先生

2017年6月に行われた「韓国語の発音と抑揚のトレーニング」講座の様子をとんそく子がレポートします。

1週目
長渡陽一先生がみんなのためにあめを用意してくださいました。このあめのおかげで和やかな雰囲気になったところで、自己紹介からスタート。自己紹介は韓国語でも日本語でもいいということでしたが、日本語での自己紹介が多かったようです。

自己紹介が終わったら早速本題です。例えば「ヨイド」「キンポ」「トンデムン」などの地名を日本語で読むと、日本語母語話者はだいたい同じ位置にアクセントを置くことを、準備されたプリントを使って確認します。韓国語を意識せず、片仮名で読むとだいたい同じような位置にアクセントが来る。つま
り、日本語母語話者は、自分で勝手に日本語の規則に当てはめて話すということが分かりました。

頭にインプットされている日本語の抑揚(イントネーション)を無視して、韓国語の抑揚をインプットし直す。これが、韓国語の抑揚を身に付けるために、私たちがやらないといけないことだそうです。授業では、では具体的にどのような抑揚に直すべきかを学びます。それが、平音は「ひくたか」、激音・濃音は「たかたか」というルールです。この日の授業では他では聞けないような「目からウロコ」な知識をたくさん学ぶことができました。ちなみにこの日出た宿題は「自分の好きな文2、3行を読む練習してきて、授業で発表」することでした。


2週目
2回目の今日は、まず、受講生が練習してきた文章を一人ずつ発表します。韓国語の抑揚のルールで読むことに慣れていないので、スラスラとは読めません。皆さん抑揚に合わせて手や顎が上がったり下がったり(笑)。抑揚を間違えると、その都度長渡先生が修正してくれます。今まで勝手に話していた韓国語とだいぶ違うので、とても違和感がありますが、これを感じられたことが第一歩。やっと日本語の抑揚から離れられたということです。「抑揚を意識すること」が大切だと先生は何度も強調します。

次は二人一組になり、「이름이 뭐예요?」の質問に対して、韓国語の抑揚で自分の名前を答える練習です。自分の名前なのに、なんだか変な感じです。住んでいる場所についても、韓国語の抑揚で答えます。도쿄도 치요다구 후지미에 살아요を、韓国語で抑揚を意識して読むことがこうも難しいとは!

3週目
3週目もまず、練習してきた内容をみんなの前で発表します。一人ずつ先生に抑揚を直してもらうのですが、人が直されているのを聞くのも非常に勉強になります。

「ひくたか」「たかたか」のルールで発音すると、どうしても自分では不自然に感じます。でも、違和感があっても、機械的に練習することが大切。実際の会話はもっと表現が多様なので、次の段階で自分の耳に聞こえたとおり練習すればいいそうです。

続いて월요일から일요일まで曜日の抑揚をチェック。오늘은 월요일이에요を抑揚に注意しながら発音します。次に머리예요/발이에요/팔이에요などなど体の部位。今日食べた物についても、抑揚を意識して発音してみました。

最後に先生が、多くの先生やネイティブの人がさまざまな立場でいろんなことを言うが、自分で確かめることを心掛けてほしい。自分が聞いている音はバイアスがかかっており、聞こえている音は全部を聞き取れているわけではなく、わざと聞いてない音もある。それを減らす努力をするようにしてほしいとおっしゃっていました。

この授業を受けて良かったのは、まず日本人の抑揚の癖や、外国人が日本語を話すときの抑揚の癖などが分かったこと。その前提のおかげで、韓国語の抑揚のことがよりよく理解できました。これまでは激音なのか濃音なのかと発音ばかりを気にしていましたが、抑揚に意識が行くようになりました。