※このコーナーは、『韓国語ジャーナル hana』の定期購読者に送付されている会報誌『hana通信』の「わっしーのマニアック韓国語」を再編集したものです。

【マニアック韓国語 Vol.14】規則とは違う間接話法の話

韓国語の間接話法、皆さん使いこなせていますか? 

한다고 했어요(~すると言ってました)までは言えても、これを한댔어요のように縮約させるとなると、なかなか口から出てこないものですね。

この縮約ですが、学習上の規則としては、한다고や~라고の後ろに해요や했어요など、해という音が来たときに、縮約されて대や래などの形になるとされています。

例えば、こんな感じです。

<例文>
아니라고 해요 → 아니래요
간다고 했어요 → 간댔어요

これは分かりやすい変化ですね。해の中にもともとㅐの母音がありますから、それが残されて대や래という形にも現れるのです。

しかし実際の会話では、本来はㅐが出ることのない場所にも대や래などが現れることがあります。

例えば、한다고 하지만(~するそうだけど)や한다고 하는데(~すると言ってるのに)などが縮約される場合、하다の活用は해ではなく하ですから、規則通りにいけば한다지만や한다는데となります。

ですが、これが한대지만、한대는데となることがあるのです。아니다であれば、아니라지만ではなく아니래지만などになったりします。

母語話者の会話をよく聞いていると、この形をよく使う人と、あまり使わない人がいます。

다や라がこのように대や래に変わる現象は、いろいろな説明の仕方ができると思いますが、一つの可能性として、한대という形が「伝聞」を表す活用として固まってしまったと言ってもよいかもしれません。

한대という形を使って、まず「どこかで聞いた話ですよ」ということを先に相手に伝え、そこに語尾を加えて한대+지만などのようにつなげていると言えるでしょう。

このとき、한대の中に해が縮約されているという意識はすでになく、간대、아니래など、これらの形が一つの語幹と感じられているということです。

普通の動詞と比べて説明してみましょう。

例えば、끝내다(終わらせる)の語幹は끝내-ですね。これに語尾を付ければ끝내지만、끝내는데となり、パンマルで끝내とも言えます。

これと同じように、語幹한대-があると仮定すると、한대지만、한대는데、한대という形が作れますね。

実際に한대다という動詞があるわけではありませんが、活用の形を見るとこう考えることもできるということです。

この形は、例えば한다며?(~するですって?)や~라며?(~ですって?)など聞き返しに使う口語の表現では、すでに한대메?や~래메?などの形になって定着しています。

映画やドラマなどでも頻出ですね。다や라が대や래になり、そして며が메に変化しています。

この形だけ見ると、다や라の母音が後ろの메に引っ張られて変化したようにも見えますが、上で見たようにこの変化は他の形でも起きていますので、한대という形にいろいろな語尾が付くようになったと考える方が分かりやすいでしょう。

このように、勉強した形と違う形が実際の会話で出てくることはよくありますが、なぜその形になるのかを考えてみるのも面白いですよ。