昨年語学留学してきた家内が、韓国語の「耳」を維持するとの理由で毎日韓国ドラマを見ています。私も否が応でも目にせざるをえず…、帰宅してからはドラマを見るのが日課になってきました。そんな中、釜山が舞台で、登場人物が釜山方言(釜山マル)を話すドラマが最近いくつかありました。

実は、現在私が制作を担当してるのが「釜山マル」の入門書。ということで、最近の釜山が舞台のドラマ3作品をご紹介!

1. 골든 타임(ゴールデンタイム)」
最近の一番の楽しみがこのドラマ。放送のある金曜日はまっすぐ(といっても10時自宅着ですが)家に帰っています。釜山のとある病院の外傷センター(外傷に特化した救急救命医療施設)を舞台にした医療ドラマでKNTVで放映中。韓国版『ブラックジャックによろしく』といったところでしょうか。主役はソウル出身という設定なのですが、脇を固める俳優たちがいい感じの釜山マルを使っています。特に、송선미が話す言葉は、大げさすぎず、近頃の大人の女性が使う洗練された釜山マルをよく表現しているそうです。
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2. 해운대 연인들(海雲台の恋人たち)」
犯人を追って釜山にきた検事が記憶喪失になり、ヤクザの親分の娘と恋仲になるというコメディ。KNTVで何カ月か前に終わりました。主演は昨年あたり韓国で話題の人だった조여정(チョ・ヨジョン)。チョ・ヨジョンは頑張って練習した釜山マルといった感じですが、ライバル役の女性が、ベタベタの釜山マルでいい味出しています。これぞ(私が個人的に知っている)釜山の女!という感じ。
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3. 응답하라 1997(応答せよ1997)」
去年話題だったドラマということで、釜山マル入門書の参考とするためにDVDを取り寄せて見ました。少し前にMnetでも放送されたそうです。あらすじは、釜山のとある高校の同級生が、2012年現在33歳になって再会。その同窓会では、あるカップルが結婚を発表することになっています。そこから1997年の高校生当時に戻り、主人公と回りの友人たち皆がともに過ごした時間が再現されるのですが、女性主人公は当時のアイドルグループH.O.Tの追っかけファンという設定。そして男性主人公は釜山一の秀才で校内でも人気があるのですが、兄弟のように一緒に育ってきた彼女に恋心を頂いています。当時のアイドルブームや音楽シーン、出来事などを背景に、青春ドラマが98年、99年、そして2000年代と進んでいきます。
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ストーリーもさることながら、90年代後半の韓国の流行や空気を味わうのには最適! 元祖K-POPスターともいえる、H.O.T.、ジェクスキスから、チョ・ソンモ、S.E.S.、ピンクル、BABY V.O.X…と、多くのスターが話の中で登場し、俳優も含めてどんな人が人気だったのかを垣間見ることができます。BGMもよく、当時を知る人にもたまらない作品ですね~。

また、役者の多くが釜山マル(慶尚道方言)ネイティブで、こてこての釜山マルワールドも満喫できます! 까리하다/까리봉삼하다(イケてる)、지랄한다(ふざけてるな)などの流行語も生まれました。

さて、いまつくっている釜山マルの本は、単に釜山マルのフレーズを並べただけでなく、まずは「文法解説」で、標準語とは異なる釜山マルの語尾や表現の形態を学んだあと、そられを含んだ日常フレーズを練習し、最後は全編釜山マルの音声ドラマでネイティブの会話を楽しむという構成になっています。

私の周辺には、家族親戚を含めて釜山や慶尚道出身の韓国人が多いのですが、これまで彼らが話す言葉を何となく分かっていたつもりだったけど、本当は全然分かっていなかったということがよく分かりました。そして言葉が分かるので、前述のドラマも大変楽しく見ることができました!(楽しさを数字でいうと3倍くらい)

画期的な本になると自負しています。ぜひご期待ください!