みなさん、こんにちは。
今日は「原書にチャレンジ!」と題し、第2弾をお届けします。
前回はエッセイをご紹介しましたが、今日は小説です。文学作品はちょっと・・・と思う方もいるかと思いますが、その中でも比較的読みやすい小説を選んでみました。韓国の若者たちから絶大な支持を得ている1980年生まれの若き作家、金愛爛(キム・エラン)の短編小説です。ショートストーリで単語もそれほど難しくないので負担なく読めるかと思います。
chimikoinda.jpeg
 作家、金愛爛は若者たちの苦しくて辛い人生をうまく描いています。やりたい事、やらなければならない事が多いとか、まだやりたい事がないとか、何もなくても前へ進まなくてはならない人生、挫折する中でもそれらをはつらつと描いています。
 なんだかんだ言っても、金愛爛の小説の一番の魅力は、面白いという事です。しめっぽくて貧弱なのにとにかく面白いんです。普通、貧乏話は嫌気がさすものですが、彼女の小説の登場人物たちは結局のところ不幸ではないのです。彼らが作り出すコミカルさに笑いが出ます。慰めがほしいであろう彼らから逆に慰められる感じです。
短編集の中から母を描いた「칼자국(まな板に残った傷)」をご紹介しますね。
「어머니는 내게 우는 여자도, 화장하는 여자도, 순종하는 여자도 아닌 칼을 쥔 여자였다.
 건강하고 아름답지만 정장을 입고도 어묵을 우적우적 먹는
 그러면서도 자신이 음식을 우적우적 씹고 있다는 사실을 모르는 촌부.
 어머니는 칼 하나를 25년 넘게 써 왔다. 얼추 내 나이와 비슷한 세월이다.
 썰고 가르고 다지는 동안 칼은 종이처럼 얇아졌다.
 씹고 삼키고 우물거리는 동안
 내 창자와 내 간, 심장과 콩팥은 무럭무럭 자라났다. …」
「母は私の前で泣く女性でも、化粧する女性でも、従順な女性でもない包丁を握った女性であった。
 健康できれいなのにスーツを着てもかまぼこをむしゃむしゃ食べる
 しかも自分が食べ物をむしゃむしゃ食べている事を知らない田舎者。
 母は包丁ひとつを25年以上使ってきた。私の年と大体同じ歳月だ。
 切って割って押し固める間、包丁は紙のように薄くなった。
 噛んで飲み込んで口をもごもごさせている間、
 私の腸と肝臓、心臓、腎臓はすくすくと育った。…」
この他にも「달려라 아비(走れ、おやじ)」「벌레들(虫たちよ)」「두근두근 내 인생(ドキドキな私の人生)」などがおすすめです。